英語と日本語の両方の履歴書
日本語と英語の履歴書を両方作成するポイント
日本で外資系の会社に応募しようとする場合、募集要項に「英文と和文の両方の履歴書を提出」とよく書かれています。これがシンプルなようでいて、中々曲者なのです。この場合、どうしても弱くなりがちなのが、作成時に自由度の低い日本語の履歴書なので、当然といえば当然なのですが、英語の履歴書も日本語の履歴書も、両方とも力を抜かずに、素晴らしいものを用意しましょう。
外資系と一言で簡単に言っても、皆さんご存知の通り、会社によって実に様々です。外資色の非常に強い会社もあれば、外資は外資だけれど、中はべったべたの日本企業の雰囲気だったり。外国人社員のいっぱいいる所もあれば、英語なんか全く仕事に関係ないところもあります。
さて、そんな現状の中で、現実問題とは全く関係なく、ただ単に「便宜上」両方の履歴書を要求する会社もあります。募集要項に両方提出と書いてはあるけれど、英語の方は実は全く見ちゃいなくて、単にファイリング用にとか、採用後に事後報告で本社に送る用にとか、まあ理由は色々あります。要は、外資で会社が日本にはあるけれど、人事が日本人で、募集職種に関わる部署の責任者も、その上の人も、そのまた上の人も全部日本人だと、せっかく頑張って用意した英文履歴書を、たいして見てなかったりします。(もちろんこの真逆もあります!)
日/英の履歴書を両方持って面接に行った筆者の実体験
ここで、私自身の経験を少しお話しします。以前、アメリカのロサンゼルスにある日系企業で、アメリカ人と日本人の混合の面接官で、英語で面接を受けたことがあります。私はアメリカ在住ですので、当時の勤務地はロスで現地採用の面接です。
数人いた各面接官の手元には、私の英文和文の両方の履歴書がコピーされて配られていました。そして本当に単純なのですが(笑)、アメリカ人は英語のだけを、日本人は日本語のだけを終始見ながら、面接は進められました。やっぱりどう考えても母国語の方が楽ですもんね!
そして、これとは全く逆に、私が日本在住の時、日本国内で大手米系企業の面接を受けた時には、面接官がアメリカ人と台湾人の二人、面接は全て英語で、二人の手元には私の英文履歴書のみが置かれていました。もちろん、日本語の履歴書も、日本語の職務経歴書も提出済みでしたよ。なぜなら募集要項には、日本語と英語の両方の履歴書を提出とありましたから。
無事合格して、その企業で私はしばらく働いたのですが、後々に分かったことは、その面接官のアメリカ人社員は日本語が全く読めず話せず、もう一人の台湾人社員は日本語が読めなくはないが、あまり得意ではなかったので、やはり英語のだけを見ながら面接をしてくれたということです。この時に、採用不採用を決めたのはこの2人、つまり2人とも日本語の書類は全く見ずに採用を決定したということになります。
最初に応募書類を受け付けたのは、日本人の人事担当の方であり、この2人は人事の方から私の英語の履歴書だけをもらって面接をした、ということだったのです。私の経験を少しシェアしたところで、ここで大事なポイントに戻ります。
ポイント1:クオリティは日英同じに
両方の履歴書のクオリティーを同じにする。外資系、海外就職だという場合でも、和文英文どちらも手を抜かずに仕上げましょうということです。こればっかりは、面接に行ってみるまでどちらにウェイトが置かれているのか、さっぱり分からないからです。
ポイント2:日本語の履歴書には、英文の方にしかない内容を必ず足す
日本語の履歴書についてですが、皆さんご存知の通り、市販のフォームもある程度決まりきっていて、どう考えても英文履歴書ほど、中味濃く、ど〜んと盛ることができません。というか、そんなに色々書くスペースがありません。なので、別紙に職務経歴書やスキルシート(呼び名はなんでもいいです)を別に用意して、必ず履歴書に添付しましょう。もちろん、手書きじゃなくてきちんと入力して印刷、またはファイルにして送付してください。
繰り返しますが、ここでのポイントは両方の履歴書の中味を同じレベルにするということです。
そして、これは全く同じことが書かれていて、正確に翻訳されていないといけないとう意味では決してありません。くれぐれも誤解のないようにお願いします。アピールする表現や構成は違っていて全く構わないので、同じくらい魅力的に仕上げてください。英語と日本語ではそもそも言語が違うので、訳すということに重きを置かず、違う言葉を使って構わないので、両方魅力的な人物に見えるように盛ってください。
繰り返しますが、必ずしも両方見てくれているとは限らず、日本語、英語のどちらを見られて受かったのか、はたまた落ちたのか、候補者には一切分からないからです。
私は個人的には、日本語のカバーレターをつけてもいいと思います。英語版の方は、ぜひeResumeShopの英文履歴書に関するコンテンツをじっくり読んで参考にしてくださいね。
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皆さんのご健闘を祈ります!