流行りのSNS、ClubHouseの今時事情について
今回は、現在、飛ぶ鳥を落とす勢いのClubHouseについて書いてみます。
ClubHouseとは何か?的な記事は、みなさんもう飽きていると思うので、その辺りは省いて、私自身がこの2-3週間使ってみて思ったことと、アメリカ今時事情ならではのトリヴィアをどんどん紹介していきます。
流行りのSNS、ClubHouseの今時事情について
ユーザーの半端ない増え方
この新しい音声SNSアプリ、ここアメリカでは正式には2020年の3月に始まり、2020年5月の時点でのユーザー数はたった1500人だったのです。それが現在、2021年の2月の今の時点で、すでに約600万人を超えています。現状では、iPhoneユーザーしかまだ使えないのに、右肩上がりでユーザー数が増えているのですが、興味深い事実としては、2021年1月の時点では200万人だったのです。それがまだ2月も終わっていないのに、もう約600万人。すごいの一言ですね!
日本では確か1月に始まったと思うので、かなり日本組の参加も貢献したのでしょうか!?
私が使った感想は
さて、実際使ってみた感想としては、Facebook、インスタグラム、ツイッター、などなど、現状では小さいもの、ニッチなものまで含めると、無限にたくさんあるSNSの中でも、かなり健康的で、将来有望ではないかと思いました。え〜、また新しいSNSか〜? 🙄 と、うんざりする方もいるかもしれません。でも、みなさん、それぞれのSNSが世に出てきた当時の、世間一般の大多数の感想を覚えていらっしゃいますか?
大体のパターンとしては、人気が急激に出て注目が集まり、そして叩かれる。そのSNSによって起こりうる、ネガティブな事象が次々と推測されて将来の悪影響が懸念される。「僕は(私は)〇〇は使わない」ときっぱり言うアンチがたくさん現れて、そしてなぜか消えていき、そのアプリやSNSは、いつの間にか市民権を得て、多くの人に使われて定番のものになる。ガラケーを今も使い続けているクールな人達が実際にいるように、本当にスルーして過ごす人も、もちろん中にはいますが。
まず、私がClubHouseを健康的と思った理由はとても単純で、アプリがiPhoneの電話番号に紐付けられているので、バンバン複数のアカウントを無料で作れるSNSとは違って、ユーザーがアカウントの取り扱いに慎重になるということと、文字ではなく肉声で繋がることから、なりすましもやりにくいことと、文字特有の暴力で、匿名で誹謗中傷する卑怯な人達も、自分の肉声だと、おそらくやりにくいであろうということが理由です。
それから、将来有望だと思ったのは、これはあくまでユーザーの立場から見た感想です。SNSとしては今までにないコンセプトなので、すでに差別化されていて、ClubHouseの方でお金がなくならない限り、失敗する理由が見つかりません。大勢で一度に通話できる便利なアプリという感じです。昭和生まれの私には、複数で同時に会話できる携帯電話に、ちょっとSNS機能が付いたものといった感覚に感じました。
ちなみに、ゲーマーの間で長く親しまれているDiscordというアプリがあって、おそらく唯一似たような感じのものですが、部屋に入った人がまずは大勢のリスナーの一人になるというところが大きな違いかと思います。
さて、運営するClubHouse側から見ると、今のところ多くの投資家がどんどんお金をつぎ込んでいて、開発は日々進んでいますが、将来どのようにマネタイズしていくのかは、これからのアクティブユーザーの数にかかってくるところでしょう。登録ユーザーはたくさんいても、実際使っていない幽霊会員ばかりではお金にならないですからね。この辺りは今後を見守りたいと思います。私は投資家ではないので気楽なもんです(笑)。
ClubHouseで働くなら、今がチャンス?
ClubHouseアプリはベータ版なので、ちょっとしたブログとFAQがあるだけで、ちゃんとしたホームページもまだありませんし、当然ながら各国言語に翻訳されたアプリもありません。本社はサンフランシスコにあるので、このシリコンバレー界隈の日本人の方々、または日本在住やその他の海外の方でも、もしかしたら、これから急上昇するアプリに携わって働くチャンスかもしれません。これを読んでいるみなさん、自分の母国語である日本語を、強力な武器にできるチャンスかもしれません。
ClubHouseの求人に応募する方法は、以下のURLからです。英文履歴書を用意してから、下のサイトよりフォームに記入して送信できます。
https://jobs.lever.co/joinclubhouse
日本在住や、その他の国にお住まいの方でもと書いたのは、上記ページの応募フォームを見ていただけるとわかるのですが、「USでの就労許可を持っているか?」という質問とともに、「今、もしくは将来就労ビザのサポートが必要か?」という項目があるので、場合によってはサポートすることも考えているんだなと思ったわけです。こちらでの求人情報には、就労許可のある人のみと書かれたものも多いので、これは良いサインです。
現在、このシリコンバレーのハイテク企業では、コロナ禍ゆえ、ほぼリモートワークで仕事は行われていますので、海外からの応募も十分ありだと考えられます。
それから、応募フォームの真ん中辺りにある、General Applicaitonも狙い目です。これは、現段階では、具体的な職種や仕事は決まっていないが、今うちに履歴書を送っておいてくれれば、適正のあった職種を募集する際に声かけるよ〜という項目なのです。並んでいる職種に興味がなければ、ここへ送るのも良いかと思います。英文履歴書の書き方がわからないよ、という方は、こちらのカテゴリーを参考になさってください。
次に、同じくフォーム上にある、Trust & Safety Analyst という職種ですが、日本人の方の狙い目はここじゃないかなと思いました!
仕事内容を見ると、Clubhouse内のコンテンツと会話が安全であることを確認して、きちんとポリシーが守られていることをチェック、ユーザーと直接コミュニケーションを取り、教育、理解、対処する。コンテンツとユーザーレポートを監視してリスクを事前に特定し、チームと協力してリスクに迅速に対処する、、、と!これは、まさに、各国言語の部屋が乱立する中、その国の言語のネイティブの人には、とても強みがある仕事ですよね。ちなみに、ClubHouseアプリのダウンロード数が、2021年今現在で急激に伸びているアメリカ以外の国が、ドイツ、日本、イギリス、トルコ、スロバキアなどです。この辺の言語に強い方、チャンスかもしれません。
アメリカで、世界で、ClubHouseの周りで起こっていること
ClubHouse内で、日本語で喋り、または日本語の部屋に入ってリスナーをされている方向けに、せっかくアメリカ今時事情というカテゴリですので、こちらで今起こっていることを少し紹介します。
日本でも最近は芸能人、著名人、起業家の方々の参加が増えているようですが、ここアメリカでも、セレブに政治家、上々企業のCEOなどが、続々と参加して集会を開いています。誰でも自由に、毎日何千もの部屋で集まって、さまざまなトピックについて話し合うことができるこのアプリに、多くの公人も参加し、制約のない自由な会話を繰り広げています。が、その言論の自由さによって、中国の怒りをかってしまい、今月になって、中国ではClubHouseアプリのダウンロードが禁止されてしまいました。
ご存知の方も多いと思いますが、欧米の主要なニュースサイトやTwitter、Facebook、Instagramなどのソーシャルメディアアプリのほとんどは、中国では完全にブロックされており、本土内ではVPNへのアクセスがますます困難になっているそうです。WeChatやWeiboなど、中国で許可されている自家製のソーシャルメディアプラットフォームは、検閲によって厳しく規制および監視されています。ClubHouseの中での、国境を越えた自由な対話という、ごく稀な機会が失われてしまったのはとても残念ですね。
ニューヨーク・タイムズのいくつかの記事を読んだところ、ClubHouse内でブラックリストに載っていた部屋がいくつかあり、例えば、中国の武漢でコロナウイルスについて警告したことで叱責された医師の方の1周年を悼みながら黙祷を捧げている部屋があったり、ウィグル人の強制収容所の存在を訴えている人のいる部屋があったり、天安門事件の取り締まりで責任を負った中国の指導者について議論した人もいたそうです。
話をアメリカに戻しますが、今Facebook社と、Twitter社が、なんとこのClubHouseに対抗すべく、似たような商品/サービスの開発にすでに着手しているそうです。二番煎じとも思いますが、そんなのは一切関係ない世界なので、大金の可能性のある方向に、多くのユーザーの流れそうな方向に、テック系の会社は合わせて動いていくのですね。
先にスタートしているアメリカでは、ClubHouseを通じてリアルの世界で付き合うカップルが生まれたり、このアプリのおかげでTik tok中毒から抜け出せた(笑)なんていう明るい(?)話もあります。Facebookの最高経営責任者であるマーク・ザッカーバーグが、仮想現実と拡張現実について教えてくれたり、日本でもニュースになっていましたが、イーロン・マスクが株式取引アプリRobinhoodの最高経営責任者にインタビューしたり、ロシアのプーチン大統領をアプリに招待したり。普段なら身近にいない人達と繋がれるところが、ここアメリカでも魅力の一つなのかもしれません。
スタート時点で、たった2人の社員しかいなかった、このAlpha Exploration Co.(ClubHouseを作って運営している会社)は、今でもまだ12人くらいしか社員がいないそうです。先程、今後のマネタイズについてちょっと触れましたが、チケットイベント、サブスクリプション、チップを通じて収益を上げる予定で、今のところ広告の表示はしないそうです。iPhoneのスクリーンに表示される広告は本当にウザいので、とてもありがたいです。
またしても長くなりましたので、今日はこの辺で。状況が変化したら、そのうちまた続きを書きます。今後、どのように伸びていくのか期待して見守りたいアプリのお話でした。
追記:この記事を書いたのは2/19なのですが、上でFacebookやツイッターが似たようなサービスを開始するべく準備中と述べました。でも、こういった大きな会社よりも先に、さっさと模倣のアプリやウェブサイトを作ってベータ状態で発進している会社がどんどん増えています。面白いので一つ紹介します。これはMacでだけ使えるそうです。ウォーターカラーという名前ですが、UIのデザインがまるでClubHouseそのままです!!(笑)ここまでそっくりでいいんでしょうかね。